映画『靖国』関連記事・資料
映画『靖国』をめぐっては、様々なメディアにとりあげられている。とてもすべてをひろうことはできないが、この問題を考えるうえで大事そうな記事、関連資料を、随時記録していきます。
まずは、新聞社がどうとらえたのか(2008.5.2、5.12)。各社サイトで読めなくなってきたので社説を別ページにまとめました(2008.5.22)。その後も社説にとりあげられています(2008.7.26)。
経緯にそって関連記事をピックアップしました。(2008.5.22、5.28)
映画『靖国』をめぐる経緯と関連記事
映画『靖国』をめぐる新聞の社説
●経緯と関連記事
経緯にそって関連記事・資料をまとめておきます。
まずは、発端となった週刊新潮にはじまるおおまかな出来事にそってピックアップします。これでだいたいの流れはわかるんじゃないかと思います。上映を求める様々な動きはここには入っていないので、それはこちらをどうぞ⇒声明。のちのち詳しくしていけたらと思っています。(2008.5.22、5.28)
2007年12月13日、この日発売の『週刊新潮』12月20日号が「反日映画靖国は『日本の助成金』750万円で作られた」と題する記事を掲載。
⇒『週刊新潮』12月20日号
反日映画靖国は「日本の助成金」750万円で作られた(PDFファイル)
2008年2月12日、稲田朋美衆院議員が映画の内容と助成金支出を問題視し、検証したいと文化庁に事前の試写を求める。「議員として見るのは一つの国政調査権」とした。
3月12日、全国会議員を対象にした試写会が開かれる。
このあたりの動きはそのうち整理したいとは思いますが、
⇒『朝日新聞』2008.3.9 靖国映画「事前試写を」 自民若手が要請→全議員対象に(PDFファイル)
⇒『朝日新聞』2008.3.13 映画「靖国」議員試写に80人(PDFファイル)
⇒『朝日新聞』2008.3.27 [メディアタイムズ]映画「靖国」文化庁の影(PDFファイル)
⇒衆議院議員稲田朋美公式ホームページ http://www.inada-tomomi.com/
伝統と創造の会
会長通信 No.33(2008.2.26)
3月20日、22日、26日、右翼団体が街頭宣伝車で銀座の上映予定館に行き、上映中止を訴える。映画館には脅迫めいた抗議電話も。
⇒『毎日新聞』2008.4.7 「靖国」上映中止
「圧力」じわじわと(PDFファイル)
3月27日、有村治子参院議員が内閣委員会で助成金支出の妥当性についてとりあげる。このなかで映画の中心的な登場人物である刀匠の刈谷直治氏に2日前に確認をとったとして「作品から刈谷さんの映像を一切外してほしいと希望をされています」と発言。
⇒参議院内閣委員会議事録(3号 平成20年03月27日)
⇒参議院議員 ありむら治子ホームページ http://www.arimura.tv/
3月31日、右翼団体の街宣車が来る恐れがある、客や周辺住民に迷惑がかかるとして、この日までに上映を決めていた映画館5館すべてが上映自粛を決定。当初予定されていた公開日4月12日の公開は不可能となった。
⇒『毎日新聞』2008.4.1 「靖国」上映中止(PDFファイル)
4月10日、映画の上映の場すら奪われようとしていることに危機感を持ったジャーナリスト・映画監督・メディア関係者が、緊急の記者会見を開催した。⇒【発言録】映画『靖国』緊急記者会見
この日の朝発売された『週刊新潮』4月17日号は「『出演者の刀匠』もダマされていた」とし、有村議員の発言を掲載。⇒『週刊新潮』4月17日号
今や受難のヒーロー反日映画・靖国に「出演者の刀匠」もダマされていた(PDFファイル)
記者会見で李纓監督は、編集終了後の2007年4月にビデオをもって訪ねたときの話など、現在までに刈谷さんとどのようにコミュニケーションをとってきたかをていねいに語った。ベルリン映画祭後の2008年2月に刈谷さんを訪ねたときには「上映がんばってください」と言われたこと、3月上旬に映画公開用のパンフレットにメッセージを求めたときには“誠心誠意”という言葉をもらったことを話した。⇒発言録
李纓監督
しかし、その日の夜のテレビニュースにはじまり、翌4月11日の新聞各紙は、刈谷さんが出演場面を削除するよう求めているといっせいに報じた。⇒『毎日新聞』2008.4.11
映画「靖国」:出演の刀匠「カットして」 ほか
つまりその時点で考えられたのは、以前は出演を了解していたにもかかわらず、この1カ月ほどのあいだに考えを変えてしまった、あるいは変えざるをえなくなった、ということだった。しかしその数日後、刈谷さんは別に削除を求めていないという報道が出てくる。
4月13日、靖国神社が李監督らに映像の削除などを求める通知書(4月11日付)を送付したと各紙が報道。
⇒『毎日新聞』2008.4.13
映画「靖国」:靖国神社が一部映像の削除求める ほか
4月14日、この日発売の『AERA』4月21日号が、刈谷さんを訪れてのインタビューを掲載し、本人は削除を求めていないことを書いている。靖国神社に関する映画への出演だと「知っていた」、作品を見て問題があると「思ってないね」、監督に自身のシーンの削除を求めたことは「ない」、今後削除を要求するかの問いに「いや」と答えている。
⇒『AERA』4月21日号
「出演は了承していた」(PDFファイル)
4月14日、映画「靖国」と表現の自由を考えるシンポジウム(日本マスコミ文化情報労組会議、日本ジャーナリスト会議共催)
⇒『東京新聞』2008.4.17
公権力の関与 軽視できない 映画『靖国』問題シンポ
4月18日、右翼・民族派団体が会員向けの試写会を開催。賛否入り乱れる。
⇒『朝日新聞』2008.4.19 「靖国を理解していない」「反日と思わぬ」 右翼系団体が映画「靖国」試写会(PDFファイル)
⇒OhmyNews 2008-04-17【再放送中】映画『靖国』、右翼による意見交換会(録画映像)
⇒鈴木邦男をぶっとばせ! 2008/04/28鈴木邦男 急遽、中国に来ています!
4月21日、5月3日を皮切りにした映画公開発表。8館で日程決定、15館が調整中。
⇒『毎日新聞』2008年4月21日(最終更新4月22日)映画「靖国」:上映の映画館名公表
4月23日、初の一般向け試写会(日本弁護士連合会などが主催)。
⇒JanJanNews 2008/04/24 映画「靖国
YASUKUNI」 弁護士会館で試写会 シンポ 侃々諤々
4月25日、靖国神社の通知書に対し、映画製作会社「龍影」と配給会社アルゴ・ピクチャーズがそれぞれ弁護士を通じて回答書を送付。靖国神社は11日付の通知書をホームページで公表。
⇒『毎日新聞』2008.4.26、時事ドットコム
2008/04/25 映像削除で神社側に逆質問=映画「靖国」の製作会社
⇒靖国神社ホームページ http://www.yasukuni.or.jp/
4月27日、毎日新聞社、日本ペンクラブが主催し試写会。
⇒『毎日新聞』2008.4.28 映画「靖国」:「議論の機会確保」 東京・毎日ホールで試写会
⇒OhmyNews 2008-04-28 17:00 「議論の材料必要」──『靖国』一般向け試写会が開催 毎日新聞社と日本ペンクラブ主催
5月3日、渋谷シネ・アミューズを皮切りに、映画『靖国』公開始まる。
⇒『毎日新聞』2008.5.4
憲法記念日:映画「靖国」が東京・渋谷で封切り、時事ドットコム、共同通信
5月10日、大阪で公開はじまる。
⇒『読売新聞』2008年5月10日
映画「靖国」関西でも公開始まる、混乱なし、『朝日新聞』、共同通信
⇒OhmyNews 2008-05-11 「反靖国」というより、むしろ……
●映画『靖国』をめぐる新聞の社説
当初予定された映画館が上映中止に追い込まれるなか、この問題は新聞各社の社説でとりあげられた。ひろえた範囲でリストアップします(2008.5.2)。追加更新しました(2008.5.10)。
すでに各社のサイトでは読めなくなっているものが多いので、こちらにまとめておきます。⇒映画『靖国』関連社説(2008.5.22)
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