札幌映画サークルからのアピール “映画「靖国
YASUKUNI」を見せてほしい”(ver.3)
2008.05.03
札幌映画サークルは、国会議員向けの試写が行われたり、“反日的だ”と言って批判する団体の動きで上映を中止する劇場が相次ぐ、撮影を承諾し画面に登場した人に議員が“事情聴取”する、製作費を助成した文化庁が非難される等々、異様な事態になっている記録映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督作品→札幌では、8月に札幌劇場で公開予定)について、鑑賞団体としてのアピールを出すことにしました。
運営委員会で文案を練り、4月25日の上映会「善き人のためのソナタ」で、“シネアスト号外”に掲載したほか、4月30日に記者発表も済ませました。
どんな映画であれ、発表する機会、見る機会を不当な外圧によって阻害されるのは許せません。
“私たちは誰にも妨害されずに映画を見たい”と訴えることが、少しでも上映の力になるよう願っています。
蠍座の田中次郎さんが言うように、遠くの方から映画館頑張れと唱えているだけでは何の役にも立たないかも知れない。
だから、私たちも出来る事はします、という決意を込めました。
【 映 画 「 靖 国 Y
A S U K U N I 」 を 見 せ て ほ し い 】
記録映画「靖国 YASUKUNI」は公開前から上映を阻もうとする様々な動きにより憂慮すべき状況に陥っています。
私たちは映画を愛する鑑賞団体として「靖国 YASUKUNI」がいかなる妨害も受けずに公開されることを望みます。
作品自体が法を侵すものでない限り、上映機会を封じられることがあってはなりません。民主主義の根幹原理である表現の自由と見る・知る権利を奪う行為は日本社会への敵対行為であり、強く抗議します。
幸い新たに上映へ名乗りを上げる映画館や団体も現れています。その勇気に敬意を表するとともに、あなた方を孤立させないように、私たちも出来る限りお手伝いします。
そのような映画館やホールを近くに持つ地域の皆さま、上映者は普通に映画を映すだけで何ら迷惑行為を致しません。万一、看過出来ない事態が起きそうな騒ぎを起こす者に講義して下さい。不法行為ならば110番して下さい。映画館は地域の大切な一員です。正常に営業できるよう、手を携えてやって下さい。
まじめな意図の下、文化庁の助成を得て制作された映画が公開さえ出来ないでは文化国家の名が泣きます。文化庁はじめ国と自治体の行政は全力で妨害排除に努めて下さい。
私たちは映画「靖国 YASUKUNI」を見たい。
2008年4月
札幌映画サークル
(賛同団体・・・Sapporo Cinema Project 映画の空気)
【第43回全国映連総会アピール】
“映画を見る機会が奪われることは許せません” (要約)
自民党の稲田朋美衆議院議員は文化庁の製作助成は不当だと声をあげましたが、芸術文化振興基金の要旨に照らし、適正に審査を受け、助成された作品のはずです。基金を政府から独立させている意味も、今回のような力が及ばないためにあります。自民党の有村治子参議院議員は製作側に取材することなく出演者に接触して自分の主張の材料にしています。このような介入を許せば、今後の映画製作に大きな制約がかかる恐れがあります。映画は自由に製作・配給・上映され、自由に鑑賞・批評されて成立します。両議員の行為は不当であり、言論・表現の自由を保証する憲法にてらして問題があります。
私たちの見る機会を奪うこのような暴挙は鑑賞者として許せません。
両議員をはじめとする人たちの介入に強く抗議するとともに、上映をめざして努力する製作・配給・上映関係者を支持し、応援します。
2008年4月20日
映画鑑賞団体全国連絡会議第43回定期総会
(札幌映画サークルより http://www.community.sapporocdc.jp/comsup/sapporocinema/info/)
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