映画『靖国 YASUKUNI』に関する声明

 日本映画監督協会は、一般公開を直前に控えたドキュメンタリー映画『靖国 YASUKUNI』(李纓監督作品)について、内容が「反日的」などを理由に一部の国会議員が文化庁を通して特別に試写を要求した行為及びその後の言動等に対し、強く抗議の意を表明する。

 これらの行為は「表現の自由や上映を制限する意図はまったくない」としているが、今後行われる上映活動を萎縮させると共に、表現者たる映画監督の自由な創作活動を精神的に圧迫している事は明らかである。

 すでに一部の映画館で上映取りやめが決定し、更に拡大するおそれがあるなど、映画の表現の自由が侵されかねない事態も起きており、大きな危惧を抱かざるをえない。

 あらゆる映画は自由な発想と意志のもとに創られ、かつ自由に上映されるべきであり、われわれ映画監督は、「表現の自由」を侵害、あるいは、侵害するおそれのあるあらゆる行為に対し、ここに断固として反対の意を表明するものである。

2008年3月31日

協同組合日本映画監督協会
理事長 崔 洋一

 


協同組合 日本映画監督協会 http://www.dgj.or.jp/